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もうすぐ卒業、長いようで短かった大学院生活でした。

最近は論文答練を受けながら、本試験の時間感覚を身につけているところです。
特に民事系第2問の感覚は大事なのかなと。

公法系、刑事系は第1問・第2問の内容が結構分かれているので、
今は第1問からそれぞれ2時間ずつで解くようにしています。

ただ民事系第2問は設問の前提になる事案も関連している場合もあるので(平成18・19年とか)、
とりあえず最初に一通り問題を読んで全体的な答案構成をして入るようにしています。
なかなか全部を検討するのは難しいですがね。

答案は最近は、1:1を心がけています。
1:1は理論面1に対して当てはめ1をするということです。
最初に答案を書いていたころは、どっちかというと理論面重視になっていた気がするし、
最近は事実重視で理論面の記述が雑になっていた気がします。

そういう意味で1:1。
分量という意味ではないですが、どっちも大事にバランスよくということで。
ヒアリングも何となくそんな感じですよね。

論文答練の評価はあまり気にしてはいないのですが、
悪いところは直した方がいいと思うので、褒め殺しよりはボロクソに書かれたほうが為になりますね(笑)
まぁ1:1を心がけてからは評価も一定な感じです。

1:1。
最近の僕のキーワードです。
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なかなか昨年の新司法試験のヒアリングが公表されないなと思っていたら、こんな時期に公表されました。

コチラ↓
http://www.moj.go.jp/SHIKEN/SHINSHIHOU/h20kekka01-9.pdf


名前も「平成20年新司法試験の採点実感等に関する意見」となっていますが、内容的には今までの「ヒアリング」と同じと考えてよさそうです。
むしろ今までは対話・会話形式でしたが、今回の一方的な意見表明の方が、学生としては読みやすい気がします(笑)

内容はまだ憲法しか見てないですが、なかなか突っ込んで書いてあります。
違憲審査基準の出し方とか、論述のポイントとか。
まあ今までのヒアリングも結構そういう部分はあったけど


こういうのを読んで、ひとつ思い出したことがありました。
ちょっと前に、とある弁護士の方に言われたことです。


「法律家は、一つの文章に意味を込めろ」


逆にいえば、
意味のない文章は書くな、ということです。


新司法試験の答案は事案も長くて記述量が多いため、書く方もだるくなってしまいがちです。
そうすると論述もぼんやりした感じに陥ってしまいます。

だけど法律家の書く文章は、「法的に意味のある」文章でなければなりません。
そのため一つの文章を書くに当たっては、

・なぜこの文章が必要か
・この文章を書く狙いは何か
・この文章は読み手にどういう効果を与えるか

という点を考えながら文章を書く必要がある。
(と教えていただきました)

先生の話は準備書面や答弁書の書き方についてのことだったんですが、これは試験での答案にもいえることだと思います。
今回の憲法のヒアリングを読んでると、何となくこの言葉が思い出されましたので紹介させていただきます。

以前、「早すぎた構成要件の実現」について書いたことがありました。
そのときは、「何だかなぁー」と思ってたんですが、最近しっくり来るようになったので、ちょっとまとめておきます。

早すぎた構成要件の実現が問題になるのは、
「XがYを海に沈めて溺死させるべく、Yの気を失わせるため殴打したところ、これによりYが死亡した」
ような場合です。

①本件では、XはYを海に沈める行為によりYを殺害しようとしているため、XがYを殴打した時点でYに対する殺人罪の故意が認められるかが問題となります。

②この場合、まずXの殴打行為に殺人罪の実行の着手があるかを検討します。殺害に向けられた一連の行為が開始されたということができれば、殴打行為の時点で殺人罪の故意が認められるためです。
→実行の着手の有無を検討
 (要素としては、法益侵害の危険性・後続する行為との関係性(必要な前提行為とか)・計画性あたりでしょうか)

③実行の着手が認められない場合は、故意責任を問うことができません。そのため殴打行為については過失致死罪の成否を検討することになります。

④実行の着手が認められる場合は、殺人罪の成否の問題となります。この時、XはYを海に沈めて殺害するという方法を考えていたところ、殴打行為で死亡結果が発生したという点で、Xの予期していた因果経過と現実の因果経過にずれが生じることになります。そのため因果関係の錯誤が問題となります。
→因果関係の錯誤の処理

こんな感じでしょうか。
意外と厄介な論点に感じますが、こんな感じで整理できるかな、と。
この問題で悩んでいる方の一助になれたらいいなと思います

<今年の判例>
最高裁平成20年6月12日判決
ポイント:
放送事業者等から放送番組のための取材を受けた者が,取材担当者の言動等によって当該取材で得られた素材が一定の内容,方法により放送に使用されるものと期待し,信頼したが,放送された番組の内容が取材担当者の説明と異なるものとなった場合における放送事業者等の不法行為の成否
判決要旨:
放送事業者がどのように番組の編集をするかは,放送事業者の自律的判断にゆだねられており,番組の編集段階における検討により最終的な放送の内容が当初企画されたものとは異なるものになったり,企画された番組自体放送に至らない可能性があることも当然のことと認識されているものと考えられることからすれば,放送事業者又は制作業者から素材収集のための取材を受けた取材対象者が,取材担当者の言動等によって,当該取材で得られた素材が一定の内容,方法により放送に使用されるものと期待し,あるいは信頼したとしても,その期待や信頼は原則として法的保護の対象とはならないというべきである。
もっとも,取材対象者は,取材担当者から取材の目的,趣旨等に関する説明を受けて,その自由な判断で取材に応ずるかどうかの意思決定をするものであるから,取材対象者が抱いた上記のような期待,信頼がどのような場合でもおよそ法的保護の対象とはなり得ないということもできない。すなわち,①当該取材に応ずることにより必然的に取材対象者に格段の負担が生ずる場合において,②取材担当者が,そのことを認識した上で,③取材対象者に対し,取材で得た素材について,必ず一定の内容,方法により番組中で取り上げる旨説明し,④その説明が客観的に見ても取材対象者に取材に応ずるという意思決定をさせる原因となるようなものであったときは,取材対象者が同人に対する取材で得られた素材が上記一定の内容,方法で当該番組において取り上げられるものと期待し,信頼したことが法律上保護される利益となり得るものというべきである。そして,そのような場合に,結果として放送された番組の内容が取材担当者の説明と異なるものとなった場合には,当該番組の種類,性質やその後の事情の変化等の諸般の事情により,当該番組において上記素材が上記説明のとおりに取り上げられなかったこともやむを得ないといえるようなときは別として,取材対象者の上記期待,信頼を不当に損なうものとして,放送事業者や制作業者に不法行為責任が認められる余地があるものというべきである。

これも平成20年重要判例解説に掲載されそうですね。
民法か、憲法か…。どっちにしろ大事そうな判例です。
新司法試験は問題文が長く、色んな事情が放り込んである。
その上全部拾って綺麗に書こうとすると時間が全然足りない。

法律論をしっかり書こうと思えば、
「具体的事実が拾えてない、事実に対する評価がなされていない」と言われ、
事実摘示・評価をしっかりしようと思えば、
「前提たる法解釈がなされていない、理由付けがない・薄い」と言われ…










(・_・、


って感じになります。
…なりません?

自分の力量から、
バランスよく配置するしかないんでしょうが。

特に要求高いな、と思うのは憲法。
「自由とは何か」とか「人権と民主主義の関係」とか…

こういう点に正面から答えてなくても、
それなりに点はつくんでしょうけどね。

そういう意味では、憲法の趣旨・ヒアリングを読むと、
・そもそも憲法上の権利として保障されているか
・権利に対する侵害となっているか
といった、ちょっと大前提的な事項の記載をしっかり求めているようです。

2時間という時間で、あれだけの問題文・資料を読み、6・7枚の答案を書こうとすると、そういう点はややもすれば落としがちになりますね。
いわゆる人権パターン?では違憲審査基準への流れが重視されていたように思われますが、新司法試験ではちょっと使いにくいかもしれません。

そこで、こういうのを見つけました。
(事例研究憲法p.152)

「ピアノ伴奏事件に関して、
まず、原告の主張する、ピアノ伴奏をできないという考えが思想・良心の自由によって保障されているか、
保障されているとすれば次に、伴奏を命ずる職務命令は思想・良心の自由の制約となるか、
制約となるとしたら最後に、その制約は正当化されるか…」

当り前のような記述なんですが、あらためて見ると、まさに新司法試験ではこういう感じで書いてほしいのかなという気がします。この3段階の思考方法は、長文問題の答案作成では有用でしょう。
最初の2つの段階で具体的事実によりながら書いていけば、趣旨・ヒアリングで問うている点に近づけるのかなという気がします。
違憲審査基準は、あくまで最後の正当化で問題になるだけですね。

<今年の判例③>
最高裁平成20年7月17日判決
ポイント:
固有必要的共同訴訟において、訴えの提起に同調しない者がいる場合の扱い
判決要旨:
特定の土地が入会地であるか第三者の土地であるか争いがあり、入会集団の一部の構成員が当該第三者を被告として入会地であることの確認を求める場合に、訴えの提起に同調しないものがいるため構成員全員で訴え提起できないときは、同調しないものを被告に加え、構成員全員が訴訟当事者となる形式で入会権を有することの確認を求める訴えを提起することが許され、構成員全員による訴えの提起でないことを理由に当事者適格を否定されることはない。

これを見たときに、ついに出た、と思いましたね。
ただ理由付けがイマイチ(というか、ない…)な点が残念ですが。
だんだん論文の復習を始めていて、問題演習をしながら、そこで出てきた論点、周辺の論点の確認をやってます。ずっと野放しにしてきた刑事系が、意外に重く感じる今日この頃…

山口厚「刑法」にシフトしつつあるのですが、復習用教材としては使いやすいですね。判例の立場には一応触れてあるし。自説が行為無価値の人でも使えるのではないでしょうか。僕は違うので分かりませんが…無責任ですね

問題は民事系、特に会社法ですよ。神田会社法じゃ薄いし、江頭株式会社法は厚すぎるし。かといって弥永リーガルマインドは読みにくいし。リーガルクエストシリーズあたりが、会社法のテキストを出してくれると嬉しいんですがね。

<今年の判例②>
最高裁平成20年10月10日判決
ポイント:振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合、受取人による当該振込みに係る預金の払戻請求は、権利の濫用にあたるか。
判決要旨:
受取人の普通預金口座への振込みを依頼した振込依頼人と受取人との間に振込みの原因となる法律関係が存在しない場合において,受取人が当該振込みに係る預金の払戻しを請求することについては,払戻しを受けることが当該振込みに係る金員を不正に取得するための行為であって,詐欺罪等の犯行の一環を成す場合であるなど,これを認めることが著しく正義に反するような特段の事情があるときは,権利の濫用に当たるとしても,受取人が振込依頼人に対して不当利得返還義務を負担しているというだけでは,権利の濫用に当たるということはできないものというべきである。
(某所より転載しています)

結論としては権利濫用とは認められませんでした。ただ事案を見ると、その後で銀行が第三者へ払戻しをしており、これが債権の準占有者への弁済として認められるかも問題になっています。論点の複合性からすると、論文試験に出題されてもおかしくない感じですね。
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